くらしのいずみ (ヤングキングコミックス)谷川史子)』
Kさんに借りて読む。柔らかい描線。いい話の数々。この人のほかの本も読んでみよう。
黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望 (光文社新書)水無田気流)』
エッセイ風の文章ですううと読めるけれど、重たい。「目前で最終バスが出てしまった(p.131)」バブル崩壊後世代のゆううつ。「黒山もこもこ(=団塊ジュニア)」で育ち、大人になるとそこは「荒野(=バブル崩壊)」。

「今」の世界で生きる若者たちは、ただ普通に生活を送るだけで、グローバリゼーションを背景とした過酷な労働市場で格闘せねばならない。これは彼ら・彼女らが選択するしないにかかわらず、である。
私たちは、平均的な若者が「地球の反対側の同世代」と日常的に戦わなければならなくなった最初期の世代である。
自分の労働の価値が、自分のあずかり知らぬところで、見知らぬどこかの国の同業者と常にせりにかけられ、競争させられている。(P.142-3)

今の若者はやる気がない、などと上の世代から言われると少々反発してみたくなる。あなたたちは、本当に「主体的に意欲を持って」人生を選択してきたといえるのですか? 主体的、などということは考える余地もなく、周囲がどんどん豊かになっていく時代と、すでにそれが終わってしまったことを実感する世代とでは「主体性」のあり方だって変わってくるのではありませんか? と。(P.185-6)

最終バスにぎりぎりで乗った私としては、こういうゆううつを少し年下の世代が抱えていることをよくよく知っておく必要があるように思う。

人間が自己決定できる範囲は、一般に思われているほど広くはなく、そして自己決定できる「強い」個人もそう多くはない。また、そういう強い個人であっても、生涯を通じて強い自己を保てるわけではない。(中略)「強くなければ普通じゃない社会」なんて、普通(マトモ)ではない。(P.211-4)

できる人の会議に出る技術―ココで同期に差をつける! (仕事の基本)(堀公俊, 本山雅英, 荒金雅子, 日本ファシリテーション協会)』
「会議とは何か」がわかりやすくまとまっている。「仕事の基本」だからなのだろうけれど、もう少し、ファシリテーションについて、つっこんだ話があってもよいように思った。