食べるとき以外は万事控えめだったマリオが、食べることまで控えめになった。ビビりっ子だったのに、近づいても逃げなくなった。ついに食べなくなって、立てなくなった。昼にだっこしたら、びっくりするくらい軽くなっていた。昨日から泊りに出ていたチビが戻るまでもつかどうかと思いながら連れ合いと家を出て、三人で戻ると、冷たく、かたくなっていた。
自分が苦しかった時期にうちにやってきて、こちらの気分におかまいなしに、おなかの上に乗ってくるのがちょっとうれしかったことを思い出す。

いっしょにいるというだけで、何をするわけでなくとも、何かをもたらすことができる。そんなことを教えるネコだった。[[]]