歌わせたい男たち
初演時に見逃したので、アンコール再演にぜひ、と足を運ぶ。歌わせようとすること、それにあらがうこと、それぞれの心情が、舞台の上で青空市のように広げられる。歌は歌うものであって、歌わせるものではない、という素朴な事実があって、だからこそ、この題名「歌わせたい男たち」に苦いものがある。笑いどころ満載、のはずなのだが、次第に笑えなくなっていく自分に気づく。見ている自分を外側の観客にしない力がこの芝居にはある。見に行ってよかった。